ユーモアもって異文化交流

今年度もひと月が経ちました。灘は文化祭を終え、ようやく落ちつきを取りもどしつつあります。

私の担当する高校2年生は、文化祭が終わってすぐ修学旅行があります。今回の行き先はハワイ(アメリカ)です。意外なことに海外への修学旅行は、開校以来初めてのことです。文化や歴史の学習はもちろん、さまざまな活動に挑戦したり、現地の高校生と交流したりします。

海外で交流するとき、始めに考えさせられることは「自分は何者か?」という問いです。日本はどんな国か、灘はどんな学校かなど、自分を取りまく環境についての知識を土台にして、自分がどんな人間なのか、何が得意なのかといったことを言葉で表現しなければなりません。

ここで難しいのは「ユーモア」(おかしみ)です。例えば灘を紹介するにも、単に事実を伝えるだけなら簡単ですが、文化も価値観も異なる相手にわかりやすく、おもしろく伝えるにはユーモアが欠かせません。笑いも文化の一つですから、ユーモアを追求すると、自然と異文化を考えることにつながっていきます。

大阪は笑いの町といわれますが、関西人でも「意図的にユーモアを交えてコミュニケーションを」というと、とたんにぎこちなくなります。「しなければならない」といった受け身のユーモアから、「自分からしたい」という自発的なユーモアへの発想の転換。今回の修学旅行で灘生がどんな成長をとげるのか、今から楽しみです。

【朝日小学生新聞2018年5月11日 掲載】