From灘 音の波はわかりにくい?

音は波の一種で、空気などに起きた振動がまわりに伝わっていく現象です。少し前に、二つの大学の物理の入試問題の誤りが報道されました。どちらも音の問題で共通の誤りをふくんでいました。こうしてみると、音は大変身近な現象であるのに理解が少し難しいようです。

例として、バネを伝わる波のようすを見てみましょう。上の図で、手を上下に動かすと、バネの各部分は手の動きにつれて上下に動きますが、波の形は右に進みます。バネの動く向きと波の進む向きが垂直になるので、このような波を「横波」といいます。

これに対して下の図では、かべの方向に向かって手を前後に動かします。すると、バネの縮んだ部分と、のびた部分が右に移動していきます。このように、バネの動く向きと波の進む向きが同じになる波を「たて波」といいます。

空気を伝わる音はたて波で、横波とは少し性質がちがいます。たとえば、音が大きく聞こえるのは「空気のふれ幅が大きいところ」と思いこみがちですが、正しくは「圧力の変化が大きい(=のび縮みが入れかわる)ところ」です。

かべのすぐそばで音を聞くと、直接くる音とかべで反射した音が重なります。かべに接する空気は動けないので、ふれ幅で音の大きさが決まるならば、重なった音は小さくなるはずです。しかし実際には、空気の「のび縮み」の変化がかべぎわで最大になり、音は大きく聞こえます。

【朝日小学生新聞2018年4月13日 掲載】