From西大和 「いぬ」の逆は「うに」?

4歳の息子が、「ヘリコプター」を「ヘリポクター」、「スパゲティ」を「スパデッキ」、「いかるが」(法隆寺がある奈良県斑鳩町。学校の隣町です)のことを「いかぐら」と言います。子どものこういう言い間違いって、かわいいですよね。でも、何か規則があるのでしょうか。

言葉をローマ字で書いてみると「いかるが」は「ikaruga」、「いかぐら」は「ikagura」です。ローマ字の「r」と「g」が入れ替わっているのです。このような変化を「音位転換」と言います。  音位転換の起こる理由は、言いやすさからであるとか、しゃれで言っているうちにそうなったとかさまざまで、単に子どもの言い間違いにとどまりません。一般的に定着したものもあります。「新た」と「新しい」も、もとは「あらたし(aratasi)」だったものが、「r」と「t」が入れ替わって「あたらしい(atarasii)」に音位転換したものです。

ローマ字で考えると、言葉の新たな側面が見えてきます。音声を逆再生するアプリなどで逆再生し、「いぬ」になるように発音するには、何と言えばよいのでしょう。「ぬい」? いや、答えは「うに」です。「inu」を逆にして「uni」。「いくら」なら「あるき」、「おと」は「おと」です。口の動きを逆にすることを強く意識できたら、なるほど!と思いますよね。

このように、言葉を意味ではなく、口から発する音声として考える時に、ローマ字は役に立ちます。

【朝日小学生新聞2018年1月28日 掲載】