From西大和 「記憶したとき、頭では何が?」

記憶したとき、頭では何が?

いきなりですが、「じゃんけん、ほい!」。私はグーを出しました。では、次の質問を読んだ後、すぐに目を閉じてください。目を閉じて答えが出たら目を開けてください。
「三上はグー、チョキ、パーの何を出したでしょうか」

簡単でしたね、グーでした。ここからが問題です。この文章を読む前は三上が出すのがグーだということは知らなかったのに、今は知っている、一瞬で三上がグーを出したということを覚えたわけです。頭の中では、どのような変化が起こったのでしょうか。
一つ目「細胞が増えた」。まばたきと同じくらい短い間に、一つの細胞がパッと二つに分裂するでしょうか。この一瞬でそんな忍者の分身の術のようなことが起こるとは考えにくいですよね。

二つ目「細胞の形が変化した」。短い間で細胞がギュンって変化するでしょうか。この一瞬で形が劇的に変化したなら、戦隊ヒーローもびっくりです。
どうでしょう。記憶とは何かを考えてみると不思議ですね。ちなみに、三上がグーを出したことは、1週間後には忘れているでしょう。覚えるのも早ければ忘れるのも早い、これを短期記憶といいます。一方、自分の名前や楽しかった思い出などは鮮明にずっと覚えています。これを長期記憶といいます。
なぜ、長期記憶は忘れずに覚えていられるのか。ぜひ記憶について調べ、考えてみてください。

【朝日小学生新聞2017年10月29日 掲載】