From灘 「虹は本当にそこにある?」

虹は本当にそこにある?

夏本番です。日差しが強い日には、公園の小さな噴水や、プールのミストシャワーなどの細かい水しぶきの中に虹を見ることができます。

空にできる虹は遠いところにできますが、水しぶきにできる虹は、手が届くくらい近いところにできます。その虹はいったいどこにあるのでしょう。見えているところにあるに決まっているじゃないかって?

では、友だちといっしょにその虹を観察して、虹があるところを指さしてみてください。2人は同じところを指さすでしょうか。「ここにあるよ」「ちがうよ、こっちだよ」と意見が分かれますよね。じつは虹というものは決まった場所にあるのではなくて、観察者ごとにその場所は異なっているのです。自分と友だちが1メートルはなれていたら、自分が見る虹と友だちが見る虹も1メートルずれています。

その理由をひとことでいえば「虹は物体ではない」ということです。「観察者から見て、ある決まった方向に生じる現象」なのです。その方向はどの観察者にも共通なので(平行なので)観察者が1メートルはなれていれば、現象も1メートルはなれることになります。空の虹が同じ場所にあるように見えるのは、背景が遠くの景色であるために、1メートルのずれが目立たないからです。

その理屈は将来高校で学ぶとして、今は不思議な現象だけを体験し、楽しんでいれば十分です。真夏の炎天下で細かい水しぶきに出あう機会があれば、ぜひ試してみてください。

【朝日小学生新聞2017年7月23日 掲載】