From西大和 「身近な面積速度一定の法則」

身近な面積速度一定の法則

フィギュアスケートの浅田真央選手が4月に引退しました。みなさんはフィギュアスケートをテレビで見たことがありますか? 選手の多くは、その演技を高速のスピンでしめくくります。両腕を広げてゆっくりと回転していた選手が両腕を体に引き寄せていくと、回転速度がどんどん増していきます。実はこの両腕の動きに、高速スピンの秘密がかくされています。

ドイツの天文学者のヨハネス・ケプラーは1609年、太陽のまわりを回る火星を観察した記録からある法則を発見しました。回転する物体に回転の中心を向く力のみが働いているとき、「回転半径」と「回転速度」の積が一定の値になるというものです。これを、面積速度一定の法則といいます。つまり、図1のように、回転半径が大きいときは回転速度がおそくなり、半径が小さいときは速度が速くなるのです。

ブランコを加速させたいとき、図2のように自然に体をのばしていませんか? これも面積速度一定の法則です。体を起こし、重心の位置を上げることによって、回転半径が短くなり、加速するのです。

科学館などの募金コーナーで、逆さまの円すい形の容器の下にコインが回転しながら吸いこまれる募金箱を見たことはありますか? ゆっくりと転がり始めたコインが、最後には高速で回転しながら吸いこまれます。これも面積速度一定の法則です。
みなさんも身の回りの面積速度一定の法則を探してみてください。

【朝日小学生新聞2017年6月11日 掲載】