From西大和 「参勤交代の真実」

参勤交代の真実

「参勤交代」について6年生のみなさんはもう勉強しましたか。大名に国元(ふるさと)と江戸を1年交代で往復することを江戸幕府が義務づけて、妻子を江戸に住ませることを強制する、というものです。長く参勤交代の目的は、大名を将軍の家来としてあつかって大名を管理することと、旅費や滞在費など多額の負担を強いて大名の力を弱めること、と説明されてきました。でも、大名の力を弱めるためという説明はまちがっているのではないか、と最近ではいわれるようになりました。

 幕府はむしろ、諸大名に対して「参勤交代に余計なお金をかけてはいけない」という命令を出していました。参勤交代で、国元から出発して江戸に入る……。諸大名は、自分の藩の力を人々に示すため、年々派手な演出をするようになり、藩の財政が悪化していたのです。人々に見せる、というのが大名行列の目的になってしまいましたから、大名たちは、出発のときと江戸に入る前にたくさんの人を集めて、行列をはなやかに演出するようになりました。ですから見学はもちろん歓迎。時代劇のように、沿道で人々に土下座を強いるということもなかったのです。

 歴史上の政策は、「目的」と「効果」をしっかり区別して理解しましょう。参勤交代には、「街道の整備が進み、交通を発達させた」という「効果」がありました。一方、「力を弱める」のは「目的」ではなく、「力が弱まった」という「効果」があったと考えるようになりました。

【朝日小学生新聞2017年5月14日 掲載】