From西大和 「言葉を分解して理解する」

言葉を分解して理解する

私たちが暮らす社会は科学によって成り立っている、といってよいでしょう。科学、そして科学的な技術は、今や欠かすことはできません。

 現代の科学の方向の一つに、「小さいものをつきつめていく」というものがあります。さまざまな装置を使って細胞や原子、宇宙の粒子を観察・観測し、偉大な発見につなげています。これは「要素に分解する」という科学の古い方法に基づきます。全体を小さなものに分解して観察し、またそれを元通り組み立てると、全体を正しく理解できる、という考え方です。ラジオやボールペンを分解して「こうなっているのか」と調べることは、立派な科学なのです。

 実は、さわることのできないようなものも分解して理解できます。話したり書いたりする「言葉」が良い例です。「走りたい」という言葉を、「走る」と「たい」に分解します。「たい」は「自分が望む・願う」ことなので、「走りたい」は、「自分が走ることを望む」となります。

 「食べちゃった」は、「食べる」と「~ちゃう」と「た」に分解。「~ちゃう」は「すっかり~する」という意味、「た」は「動作が終わっている」ことを表すので、「食べちゃった」は「すっかり食べ終わっている」となります。
 このように、言葉を分解して理解するための方法を、「文法」といいます。機械などを分解する時の「中はどうなっているんだろう」というわくわくする感覚を、言葉の分解にも感じてくれたらうれしいです。

【朝日小学生新聞2017年4月16日 掲載】