From西大和 「ビッグデータが世界の見方変える」

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ビッグデータが世界の見方変える

20161014b_027月は参議院議員選挙や東京都知事選挙などの選挙がありました。都知事選では多くのマスコミが午後8時ちょうどに当選速報を流していましたが、不思議に感じた人もいたのではないでしょうか。8時まで投票が行われており、1枚も開票されていない開票率0%の状態で結果が出たからです。当日の有権者数は11083306人、総投票数は662407票で、すべて集計し終えて確定したのは翌日午前15分でした。

なぜ当選速報を放送できたのでしょうか。マスコミは投票結果そのものではなく、選挙前に電話やアンケート調査で予測を立てています。そして選挙当日に投票所の出口で投票を終えた人に聞く「出口調査」を行い、予測しているのです。そこには、統計学の「サンプリング」の技法や「信頼区間」(信頼できる数値の範囲)の計算などが使われています。

どれくらいの人に調査しているのでしょうか。調査員は決められた人数、決められたバランスにもとづいて調べます。統計学では、全体の男女比や年齢などのバランスを考え、ある一定の数を調査すれば、それ以上はあまり影響がないことがわかっています。総投票数について信頼レベル99%で調査する場合、今回なら16600人を調べれば、実際の結果とほぼ同じになるのです。

全体ではなく、一部をバランスよく読み取ることでより確実に「全体像を予測する」統計学の世界。大量の情報である「ビッグデータ」を使えると世界の見方が変わりますよ。

【朝日小学生新聞2016年8月28日 掲載】