From灘 ボトル内の水と空気、どう変化?
市販のうがい薬を毎日使っています。プラスチック製のボトルに薬液が入っていて、小さな口が開いています。ボトルを逆にすると液がぽたぽたと落ちます。液は数滴落ちて自然に止まり、それ以上落ちなくなります。
満タンに近いときは、逆にしても液はほとんど落ちません。しかし液がボトルの半分くらいになると、逆にしたときに落ちる量は多くなります。しかしその後、液が残り少なくなると、液はほとんど落ちなくなります。うーん、何か理屈がありそうです。
使用済みボトルで実験してみました。半分くらい水を入れてボトルを逆にすると、
①水は自分の重さのために下に向かい、口から落ちていく。
②水が落ちるとき、口から空気が入ることはない(口が小さいから)。
③水が落ちるとボトル内の水面がわずかに下がり、空気の体積が大きくなる。
さあ、ひらめいたかな? 中の空気の体積が大きくなると空気の圧力が下がり、下へいこうとする水の重さを引きとめるのです。満タンのときは、空気の量が少ないので、わずかの体積変化で圧力が急に下がり、水はすぐに引きとめられてしまいます。水が残り少ないときは、空気はたくさんありますが、水の重さが足りず、水は落ちにくくなります。中ぐらいのときが一番たくさん落ちるのです。
きちんと理解するには「ボイルの法則」というものを使って計算すればよいのですが、その内容は中学で習います。
【朝日小学生新聞2022年12月9日 掲載】