From灘 七五調が日本の歌によくなじむ

私が生まれ育った大阪府の南河内地域では、秋祭りが一年で最大の楽しみでした。特に小学生は熱心で、2学期に入ると休み時間は机を太鼓に見立ててたたきながら、だんじり(祭りでひく山車)のひき唄を歌い、10月中ごろの秋祭りが終わっても、2学期の間はずっとそれが続いたものです。

3年生か4年生のころ、音楽の時間で歌った曲を、遊びでひき唄の歌詞にかえて歌ってみた人がいました。するとぴったりと歌詞がメロディーに収まり、休み時間の教室が大いにもり上がったことを覚えています。

この理由は、日本の詩歌は7音の句と5音の句を組み合わせて作られることが多く、特に7音・5音の順でくり返す「七五調」のものがとても多いからです。歌詞も詩の一種ですから、七五調の歌詞を持つ歌どうしで歌詞を入れかえて歌うことができるのです。

七五調は平安時代前期ごろ、日本の詩歌の主流となり、それ以来千年以上にわたって、数多くの七五調の詩歌が作られてきました。「五・七・五」の俳句や標語を音読する時も、無意識のうちに、最初の5音の句と7音の句の間で軽く息を切り、7音の句と最後の5音の句はあまり間を空けずに読んでいるでしょう。それが七五調の自然な読み方です。一度自分の読み方を意識してみましょう。

最近の歌ではあまり見かけなくなりましたが、昭和の歌謡曲など流行歌にも七五調の歌詞を持つものは少なくありません。歌の歌詞の音数を数えてみてもおもしろいでしょう。

【朝日小学生新聞2022年10月14日 掲載】