From西大和 綱吉の命令あるけど、肉食べたい

肉料理といえば、みなさんは何を思いうかべますか。牛、豚、鶏が定番ですが、馬、鹿、猪、羊なども地域によっては自慢の名産品として人気があります。

ところで、食肉文化が禁止されていた時代が日本にはありました。江戸時代、第5代将軍の徳川綱吉が定めた「生類あわれみの令」により、生き物を殺すことになる食肉はタブー(禁止行為)とされたのです。ちなみに、魚は許されていました。当時の人たちは肉のおいしさを知っていますから、この命令をあまり守っていなかったようです。鶏肉=かしわ、馬肉=さくら、猪肉=ぼたん、鹿肉=もみじ、と花や植物の別名で呼び、これらの肉を出す店も世間の批判をそらしていたようです。

世界に目を向けると、宗教上の理由で特定の肉を食べることが禁じられている人が今もたくさんいます。イスラム教徒にとっては、豚が「不浄の動物」。豚肉に限らず、豚脂(ラード)なども調理に使うことがさけられます。牛肉や鶏肉などもイスラム教の作法に従って処理しなければなりません。アラビア語で「許されている」の意味を持つ「ハラル」の認証マークをつけた製品やレストランが、日本でも増えています。

新型コロナウイルスの「水際対策」がゆるめられ、観光目的で海外から入国する動きが再開されました。タブーについては配慮が求められるレベルに個人差がありますが、十分なコミュニケーションでトラブルはさけられるので、ぜひ知っておきましょう。

【朝日小学生新聞2022年7月8日 掲載】