From西大和 ネコもびっくり!? マタタビの効果

大好物をあらわす「ネコにマタタビ」のたとえでも知られるように、ネコは大好きな植物のマタタビのにおいをかぐと、なめる、顔や頭をこすりつけるなどの「マタタビ反応」を示します。これはライオンなどの大型ネコ科動物でも確認されています。つまりネコやライオンは、種として分かれた約1000万年前から、マタタビ反応をすることを大切に受けついでいることになります。

幸福感を引き起こす脳内物質の量を調べた結果から、まちがいなくネコは本能的にマタタビのにおいを好むことはわかったのですが、これまでネコ科動物が何のためにこの反応をするのかはわかっていませんでした。

岩手大学や京都大学などの研究グループは、マタタビにふくまれる「ネペタラクトール」という成分がマタタビ反応を強く引き起こすことをつきとめ、その化学物質がついたものにネコが顔や頭をこすりつけていることもわかりました。ネペタラクトールは、蚊を遠ざける性質や殺虫効果があります。

肉食動物であるネコは、獲物をねらう際にかくれるしげみの中で、蚊を通じて体内に寄生虫やウイルスを入れてしまう危険性があります。そこで、ネコ科動物はマタタビのにおいを体につけることで、知らず知らずのうちに蚊から身を守っていたのです。

しかし、進化の中でなぜネコ科の肉食動物だけがこういった習性を手に入れられたのかはまだわかっていません。まだまだ、ネコの中には宿題がかくされています。

【朝日小学生新聞2022年6月10日 掲載】