From灘 数学の問題を作ってみよう

難しい数学の問題を解く天才小学生をテレビで見かけたことがあるかもしれません。しかし、数学の問題を解くことに関しては体系立てて学べる本やYouTubeの動画が多数あるので、理解度が早ければ年齢に関係なく学べます。学年をこえて問題が解けることは、そんなにめずらしいことではありません。

さて数学は解けることも大切ですが、問題を作ることはもっと重要です。よい数学の問題はすばらしい考えを生み出してくれます。

【問】直径が1尺8寸(約55センチ)の大円と直径が8寸(約24センチ)の小円の間に、それぞれの辺が接するように正三角形がある。この正三角形の1辺の長さを求めなさい。

これは京都府長岡京市の長岡天満宮に1790年に納められた算額(数学の問題がかかれた絵馬)の内容で、図もついています。作問者の今堀彌吉は、数え年で12歳の少年です。

この問題に灘中学校1年生が挑戦し、描画ソフトで作図もしました。しかし、実際に作図してみると、算額の図のようにならないことがわかりました。正三角形は大きい円に辺で接することなく、頂点でぶつかります。

あまりに美しい解法を求めるあまり、数学的にありえない図になってしまいました。う~ん、おしい!

「解く」ことも大切ですが学校で学んだことをふまえて今堀彌吉のように「問題を作る」ことにも挑戦してみてください。もしかしたら今堀彌吉のように成立しない問題になるかもしれませんが、それも一つの学びです。

【朝日小学生新聞2022年3月4日 掲載】