From灘 石碑が意味する昔の人の願い

歩いていると、石碑に気がつくことがあります。広場の一角に堂々とそびえていたり、神社やお寺の一角に立っていたり、道ばたの目立たない所にたたずんでいたり。立地や大小はさまざまですが、共通点もあります。

一つ目は、石でできている点です。「石碑」なのだから当然ですが、実は大事なことです。「木碑」や「鉄碑」という言葉を聞かないように、石という素材に意味があるのです。

石は木よりも重く加工しにくいですが、くさったり風化したりしにくい特徴があります。一方、金属に比べると身近かつ安価で、軽く、加工も容易です。また、手に入りやすい金属はさびやすいものが多く、石よりも風化に強いのは銅くらいです。つまり、風雨にさらされる屋外で長期間読めるようにするためには、石が最も便利な素材だったのです。

これが、二つ目の共通点に関わってきます。それは、数十年、百年以上後の時代の人々にも読んでもらいたいと思って建てられた、ということです。

石碑には、「この村から立派な人が出たよ」とか、「村人みんなでお金や力を出し合ってこの道路を造ったよ」といったものが多くあります。将来の人にお手本にしてほしいといった願いのもと、石碑は建てられています。

町の中で見かける石碑は、風化が進んでいたり、昔の言葉で書かれていたりするものも多いですが、表側の大きな字は読み取れるものが大半です。昔の人が私たちに伝えたかったことを読んでみませんか。

【朝日小学生新聞2021年11月5日 掲載】