From西大和 「の」と「が」の使い方に注目

東京オリンピック・パラリンピックで日本の選手が多くの金メダルを獲得しました。金メダルの表彰式では「君が代」が流れました。

ここで私のはずかしい思い出話を一つ。小学校の音楽の教科書に、「君が代」の歌詞がのっていました。歌詞の一節に「さざれいしのいわおとなりて」とあります。さざれ石は小さい石のこと。小学生だった私は、何も疑わずに「さざれ石の岩音鳴りて」(さざれ石の転がる音?)と歌っていました。本当は「さざれ石の巌となりて」(さざれ石が大きな石になって)です。まちがいに気づいたのは、中学生になってからでした。

このまちがいはどうして起こったのでしょう。それは、「の」と「が」の働きが昔と今で変わったからです。今では「の」は、「ぼくの名前」「犬の小屋」のように、「だれだれのもの」の意味で使われることがほとんどです。また「が」は、「私が持っています」「友だちが笑う」のように、「だれだれがする」の意味でよく使われます。

この「の」や「が」の古い使い方は、今でもあります。「我が家」は、「私の家」という意味ですが、字をよく見てみると変ですね。「我が家」の「が」を今の意味で考えると、「私が家である」となってしまいます。「わがまま(我が儘)」の「が」はどうでしょうか。

毎日使っている言葉を一度「ばらばらに分解」してみることをおすすめします。区切る場所を変えることで、かくれていた言葉の意味に気づくかもしれません。

【朝日小学生新聞2021年9月24日 掲載】