From灘 自分だけの読書の楽しみ味わって

夏休みも半分以上が終わってしまいましたが、宿題や息ぬきはできていますか。

せっかく時間をとりやすい時期なのですから、ぜひ読書をしましょう。こう言われるだけでいやになってしまう人もいるかもしれませんが、少しがまんしてください。ここでは小説にしぼってお話しします。

特におすすめは、日本のものであれ、外国のものであれ、数十年以上にわたって「名作」と呼ばれてきた作品です。私自身が好きだった作品を1冊あげるとしたら『クリスマス・キャロル』(ディケンズ作)。こうした作品は時代をこえて多くの人々を感動させたり、楽しませたり、考えさせたりしてきたものなので、今もおもしろく読めるものが多いのです。

もちろん、好みは人それぞれですから「この小説は自分には合わなかった」ということもあります。それでもあきらめずに、ほかの小説を読んでみましょう。いつしか、自分の好みに合う小説や作家に出会えるはずです。

子どものころに読んだ小説を大人になってから読み返すと、つまらなかった小説のおもしろさがわかるようになったり、好きだった小説を別の観点から楽しめたりすることが多いです。読書には、自分自身の変化や成長を実感できるという楽しみもあるのです。

娯楽が多様化した現代ですが、このような楽しみ方をするのは、紙の本以外ではまだ技術的に難しい面もあります。読書からしか得られない楽しみを将来味わうためにも、今のうちに読書をしておきましょう。

【朝日小学生新聞2021年8月13日 掲載】