From灘 圧力の変化でジュースが飲める

冷たい飲み物がおいしい季節になりました。コップに入った水をストローで吸うと、水はつながったままストローの中を上がります。よく考えるとこれは不思議なことです。

水は液体です。液体は分子という目に見えない小さな粒からできています。分子どうしは接していますが、つながってはいません。バケツに入ったたくさんのビー玉を想像してください。いくつかのビー玉を持ち上げても、残りのビー玉がつながって持ち上がってくることはありませんよね。水も同じです。

私たちは大気(地球をとりまく空気)の底に住んでいます。空気は軽い物質ですが、大気は厚さ10キロメートル以上あり、その重さは相当なものです。私たちの周囲には1平方センチメートルあたり約1キログラムの大気の圧力(ものの表面を押す力)がかかっています。え? 何も感じないって? 私たちは生まれたときから大気の中にいるので感じないのです。

コップのストローを口にくわえているとき、水面は大気の圧力で押されています。口の中の空気も大気と同じ強さの圧力をもつので、そのままでは水は動きません。口の中の空気を肺に吸いこむと、口の中の空気の圧力が下がり、圧力の差によって水がストローの中を上がっていきます。

つまり水は吸い上げられているのではなく、むしろ押し上げられているのでした。もし大気の圧力が存在しなかったら、ストローでジュースを飲むことはできないのです。

【朝日小学生新聞2021年7月16日 掲載】