From灘 2音の「比」で心地よい和音きまる

50cmじょうぎは、10cmじょうぎの5倍の長さで、5:1(5対1)と表します。このように、量や大きさの割合を表す時に「比」を使います。比は6年生で学びます。

約2500年前、古代ギリシャの数学者ピタゴラスは、同じ厚さで長さの比が2:3や3:4となる2本の金属の棒を同時にたたくと、きれいな音になると発見しました。ピアノでドとソを同時にひいてみてください。きれいな「和音」になります。同じ素材の金属棒で、長さの比が1~5など簡単な数字で表せる時、同時に奏でるときれいにひびくのです。

さて「音」は「周波数Hz」で数値化します。周波数とは音の高さと思ってください。音階の音をたとえば、ド=240Hz、レ=270Hz、ミ=300Hz、ファ=320Hz、ソ=360Hz、ラ=400Hz、シ=450Hzとしましょう。簡単な比になるド:ミ=240:300=4:5、ド:ソ=240:360=2:3などは、同時にひくと、きれいにひびきます。

また和音は、音でメッセージを伝える「サイン音」に使われます。例えば学校のチャイム。チャイムの音を前から二つずつ同時に鳴らすと、きれいな和音になり、聞いていて心地がよいです。映画が始まる時の音は、昔はブザー音でした。「もうすぐ始まります!」と注意をうながす音です。気持ちよい音だとのんびりされてしまいますから、気持ち悪い音(不協和音といいます)を使っています。

このように、ふだん耳にするサイン音にも算数の「比」が使われているのです。

【朝日小学生新聞2021年6月18日 掲載】