From灘  どれも体重だけど、まったくちがう

Aさん、Bさん、Cさんが何やら話し合っています。

A「エレベーターが動くと体重が変化するね」
B「いやいやそれはないわ。でも、地球からうんとはなれると体重は変化するよね」
C「いやいやそれはないわ。そんなことでは体重は変わらないよ」

Aの主張では、体重計に乗って表されるものが体重です。体重計がなくても、足の裏とエレベーターの床の間に働く圧力(おし合う力)の変化として、感じることができます。

Bの主張では、地球から引っぱられる力が体重です。動いていても、地球の中心からの距離はほとんど変わらないので、変化しません。月面に行くと月から引っぱられる力が体重となって、6分の1になります。

Cの主張では、体にふくまれる物質の量で決まる値が体重です。エレベーターに乗ろうが月面に行こうが変わりません。

実は、これら三つはまったく意味の異なるものなのです。名前をつけて区別するときは順に「抗力」「重力」「質量」と呼びます。抗力は、物と物が接触して接点でおし合う力です。重力は、星のような大きな物が周囲におよぼす引力のことです。質量はその物にふくまれる物質の量をいいます。

これら三つの値は、地球上で、物が止まっている場合は同じです。日常生活でこれらを区別せず「体重」とか「重さ」と呼んでも問題はないわけですね。さて、みなさんなら三つのうちどれを体重と呼びたいですか。

【朝日小学生新聞2020年10月30日 掲載】