From西大和  言葉をうまく操るために

「国語って何のためにあるんやろ」。これは私の小学生のときの疑問です。「国語の教科書にのっている文章は日本語だからすぐに理解できるのに」。理解できていることを授業で学んでも退屈に感じますよね。しかし、日常生活の中で、国語力(話す・聞く、書く、読む力)が自然に身につくのでしょうか。

この問いを考える上でヒントになりそうなのが、「ハイキュー!!」という高校のバレーボール部の青春をえがいたまんが・アニメです。バレーボールでは、得点を決めるスパイカーにトスを上げる役割のセッターがいます。作品に登場する強豪校のセッターは、「スパイカーがうまくなったと錯覚するセットアップ」をするといわれています。

国語も同様です。優れた文章は論理的に書かれており、読者が理解しやすいように整理されています。読むだけで「理解できた」と思えるのは、そのためです。

しかし、それだけで国語力があるといえるでしょうか。友だちとけんかをしたり、親や先生におこられたりする原因の多くは、言葉の説明不足、理解不足です。話したり聞いたりしてコミュニケーションをとることは、教科書で学ぶ読み書きよりも難しい場合があります。だから教科書を使って、まずは読むことや書くことから学ぶのです。

あなたの生活の中心は、人とのコミュニケーションです。その根底にあるのは、言葉の力です。言葉をうまく操れると、けんかやトラブルも少なくなるかもしれませんね。

【朝日小学生新聞2020年9月18日 掲載】