From西大和  研究成果うけて、表記が変化

みなさんは社会科の教科書をしっかり読んでいますか。実は、教科書の記述は研究の成果に影響をうけて変化しています。今回は歴史分野の記述に注目してみましょう。

まずは4世紀ごろに成立した大和朝廷。近年の小学校の教科書では、「大和朝廷(大和政権)」と記されるようになっています。これは、当時「朝廷」と表現するほど、大王に権力を強く集中させた政治体制がなかった、という考えに基づき、「政権」とも表しているようです。さらに、「大和」という地名が、8世紀以降の表現であることなどから、「ヤマト政権」と称することもあるようです。

続いて江戸時代。幕府の対外政策である「鎖国」の説明が変化しています。例えば、幕府の政策について、「のちに鎖国とよばれる」や「日本は江戸時代に『鎖国』をしたわけではない」と説明する教科書もあります。実は、「鎖国」という語は、19世紀初めに、あるドイツ人の著書を日本語に訳した際に生まれ、幕末に「開国」との対比で広く用いられるようになりました。つまり、「鎖国」は、江戸時代の初めからある語句ではなかったのです。

さらに、今年、終結から75年をむかえた「太平洋戦争」を「アジア・太平洋戦争」とよぶことについて紹介する教科書もあります。太平洋周辺だけでなく、アジア地域も戦場となったことに気をつけた表現ですね。一見細かい言葉のちがいに思うでしょうが、このような心配りはとても大事です。ぜひみなさんも、教科書をしっかり読んでみてくださいね。

【朝日小学生新聞2020年8月21日 掲載】