From灘  空気中で保存 冷えたら雨に

今年の梅雨は、数時間の雨量が200ミリという豪雨もありました。川幅いっぱいの濁流のニュース映像を見て、この大量の水が本当に空から降ってきたのだろうかと疑問に思いませんでしたか

雨量200ミリとは、水が高さ20センチたまるということです。10メートル四方の面積だと、そこに20センチたまった水の重さは20トンです。20トンの重さのものが空の上にあったことになります。

水は「水の分子」という小さい粒子が集まってできている液体です。水は加熱されると、分子の間の距離が開き、気体(水蒸気)になります。水蒸気になると体積は千倍以上になります。高さ20センチの水は高さ200メートルに広がります。

この時、重さは20トンのままですが、密度(体積あたりの重さ)が変わり、1リットルあたり1キログラムだった重さが1グラム以下になります。これは空気の密度よりもちょっとだけ小さい値です。地上には大量の空気があるので、水蒸気は空気と混ざり合って、空気中にただよったままでいられるのです。

水は液体から気体に変わることによって空気中に保存される。それが冷えて液体になると雨として落ちてくる。ものが分子でできているということから、いろいろなことが説明できるわけです。自然災害を防ぐためには、自然現象の科学的な理解が不可欠です。みなさんも日常の疑問を大切にして、科学的な考え方を身につけてくださいね。

【朝日小学生新聞2020年8月7日 掲載】