2020年度から「大学入学共通テスト」 英語の試験どうなる?

いまの大学入試センター試験にかわり、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」の実施方針が先月、まとまりました。大きく見直されるのが英語の試験です。どのようにかわるのでしょうか。Q&A(質問と答え)でまとめました。(編集委員・沢辺雅俊)

「話す」「書く」を民間試験で

 英語では何が、どうかわるの?
 いまのセンター試験では主に「読む」「聞く」という二つの力しか測れません。そこで「話す」「書く」もふくめ、四つの技能を測るために民間の資格・検定試験をとり入れます。センター試験は50万人規模が受けており、受験生一人ひとりの「話す」「書く」力をみるテストを同じ日に一斉に実施するのは現実的に難しいと判断されました。

 共通テストでは英語の試験がなくなるっていうことなの?
 2024年度からなくなりますが、それまではつづけることが決まりました。「制度の大幅な変更による影響を考慮した」そうです。各大学は共通テストと民間試験のいずれか、または両方を選んで利用することになります。民間試験や個別試験(各大学の2次試験)で、4技能を評価するよう努めるとしています。

 民間試験って、たとえばどんなものがあるの?
 左のイラストにあるのが、その一例。おなじみの英検のほか、上智大学などが開発したTEAP、海外の大学に留学するときに使われるTOEFL、ビジネスに対応したTOEICなどです。これらについて学習指導要領に合っているかなどを確認したうえで、大学入試センターが認定します。

 異なる試験の成績をどう比べるの? また、どう活用するの?
 成績の比較は、国際基準「CEFR」に対応した段階別評価(6段階程度)を想定しています。活用法は各大学が決めます。ある一定の成績を出願の資格(条件)にしたり、2次試験の英語を免除したり、入試の得点に加算したりすることなどが考えられます。

 いつ受ければいいのかな?
 高3の4~12月に2回まで受けられます。1回でもかまいません。2回の場合、よい方の成績が使われます。民間試験に出願するとき、大学入試で使うことをあらかじめ申請します。いろいろな民間試験を何回も受けてから、成績がよかった2回を選んで申請することはできないというわけです。また、高2のときによい成績をとっても、高3で受け直す必要があります。既卒者(浪人生)の対応は今後、決めます。

 「話す」力を測る試験ってどういうもの?
 試験によって異なりますが、たとえばいまの英検2級(2次試験)は時間が約7分。60語程度の文章を音読して面接委員からの質問に答えたり、イラストをみて展開を説明したり、ある事柄について自分の意見をのべたります。TEAPの場合は約10分。受験生の生活について質問に答えたり、テーマに沿ったスピーチをしたり。TOEFLは20分。パソコンに向かい、身近な話題について意見をのべるなど六つの課題があります。

 今後の課題などはあるの?
 受ける生徒が住んでいる地域や家庭の経済状況で、不公平が生まれないようにしなければなりません。文部科学省は試験団体に全都道府県で4~12月に複数回実施することや、検定料をおさえることなどを求めていくそうです。

授業を楽しみ、積極的に参加

小中学生対象の塾「河合塾Wings」の2人の担当者に小学生は何をすべきか、話を聞きました。

4技能試験の導入で、小学生がいまから英検やTOEFLの準備をしなくては……ということにはならないでしょう。ただし、英語の勉強を始める「きっかけ」にはなります。

20年度から実施される次期の学習指導要領では5、6年生の「外国語活動」が正式な教科の「外国語科」になり、3、4年生の「外国語活動」も始まります。来年度からの移行期間では5、6年生はかんたんな「読む」「書く」をおこなうことになりますが、授業を楽しみながら受けてほしいですね。英語ぎらいにならないことが大事です。(石坂英明さん)

授業ではまちがいをおそれず、積極的に参加しましょう。これは社会に出てからも必要な姿勢です。
英語の入試改革では「話す」ことに目が行きがちですが、4技能をバランスよく学ぶことがポイント。家庭では、きちんと復習するといった学習習慣を身につけることが、何よりも大切です。(高橋裕生さん)

【朝日小学生新聞2017年8月13日 掲載】