存在感示す公立中高一貫校 大学合格実績 のびたのは?

大学入試でここ数年、存在感を示しているのが公立中高一貫校です。中学から入学した生徒が大学を受ける時期になり、合格の実績をおしあげている学校も少なくありません。東京大学(東大)や京都大学(京大)をはじめ、難関大学に合格者を出すところもめだちます。今春の大学入試について、おもな公立中高一貫校の結果を調べてみました。(編集委員・大島淳一)

東日本 都大泉、東大5人増え6人

 東日本で注目されたのは、中学が開校して2年目に入学した生徒(2期生)が受験期をむかえた学校といえるかもしれません。そのひとつが宮城県にある仙台二華高校です。東大に5人、京大に3人が合格。いずれも前年度にくらべて少なくなったものの、地元にある国立の東北大学には前年度の2倍以上にあたる25人が合格しました。

 中学・高校の6年間を「2年―3年―1年」の3期にわけるのがカリキュラムの特徴。中学1、2年は45分×毎日7コマの授業で基礎的な力をつけます。中学3年から高校2年までは習熟度別の授業などを展開したり、高校から入学する生徒とクラスを編成したうえで文系と理系の類型別に科目を選択したり。高校3年になると進路に応じた科目を選択し、大学入試に向けた勉強に力を入れます。
 文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定される一方、東北大学などと連携して講演会やガイダンスを開催、大学院生らとの交流もおこなわれています。

 2期生のがんばりがめだったもうひとつの学校は東京都立大泉高校です。東大に合格したのは前年度の1人から6人に増え、京大も2人から4人に増加。早稲田大学や慶応大学、上智大学など、私立の難関大学でも合格者数が増えました。
 「自校完成型」という取り組みが同校の特徴です。たとえば放課後。教員が一定時間ひかえ、授業でわからない点や発展的な内容など、生徒の勉強をサポートします。自学自習を習慣づけるねらいがあるといいます。土曜日も活用。勉強した内容の反復練習で基礎・基本の定着をはかったり、専門家らを招いて自然科学や社会科学の講演をきいたりします。

西日本 市西京は京大34人と強さ

 西日本の学校では京都市立西京高校の「強さ」が目を引きます。今春は京大に34人、東大に2人がそれぞれ合格。国立の大阪大学にも21人が受かりました。

 前身は商業高校で、2004年に高校からの募集もある併設型の中高一貫校に。中学の人気も高く、今春は550人以上が受検、4・6倍というハードルの高さでした。

 同校の特徴は高校に設けられている「エンタープライジング科」です。独創性やチャレンジ精神にあふれる「起業家」の精神をもつ生徒の育成をめざします。企業や大学とも連携し、職場体験などを実施。英語の授業ではディベート(議論)をとり入れるなど、自己アピールの力も高めます。大学入試で生徒が希望する進路を実現できるよう、社会科学系コース(おもに文系学部向け)と自然科学系コース(おもに理系学部向け)も設置されています。

 大学の合格実績や独自の取り組みなどが評価され、公立中高一貫校は進路のひとつとして定着してきました。入学者を決めるための「適性検査」が2020年度からの大学入試改革で求められる力と共通する部分が多いことも、注目される理由のようです。

【朝日小学生新聞2017年5月14日 掲載】