今春の時事問題 世の中の動き 多様な角度で

中学入試で多くの学校がもりこむ時事問題。この春の入試ではどのようなニュースが取り上げられ、どのようなかたちの出題がみられたのでしょうか。おもに2月に実施された首都圏の国立中学や私立中学を中心に調べてみました。(編集委員・大島淳一)

総選挙が頻出/東京五輪を軸に記述

よく取り上げられたテーマの一つが選挙。2021年10月に投開票があった衆議院議員選挙(総選挙)を出題する中学がめだちました。学習院女子中等科(東京)は衆議院の選挙制度の名称を問い、小選挙区「比例代表」並立制を記述。渋谷教育学園渋谷中(東京)は衆議院の小選挙区と比例代表について定数(議席数)を答えさせました。小選挙区が「289」、比例代表が「176」です。東邦大学付属東邦中(千葉)は総選挙で当選者を決める手順を説明したうえで架空の政党や得票数などを示し、ある政党の比例代表での当選者を答えさせました。

筑波大学附属駒場中(東京)は、日本の選挙のしくみや選挙活動にかんする説明のうち、正しいものとして「選挙当日に用事がある人が事前に投票できる制度や、仕事での滞在先や入院先などからでも投票できる制度がある」「候補者や政党はテレビなどでの政見放送を通して、意見や考えを有権者にうったえることができる」を選ばせました。

2021年の夏に開催された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックも頻出でした。中央大学附属中(東京)は情報や注意事項を伝えるマークや記号の名称として「ピクトグラム」を記述。1964年の東京大会を軸に、高度経済成長期の日本を取り上げる学校もめだち、麻布中(東京)では都市部を中心に不足した労働力をどのようにして補ったと考えられるかを出題。「農村など地方の若者が集団就職で都市部に移り住み、労働力になった」などと答えさせました。

国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)もよく取り上げられ、浅野中(神奈川)では「日本は女性の社会進出の面で国際社会からおくれをとっていると指摘されることがある」としたうえで、この点にもっとも関係が深い目標を選ばせました(「ジェンダー平等を実現しよう」)。

新型コロナウイルスにかんする出題では感染症対策に力をつくした人物と業績を結びつける問題も。北里柴三郎は破傷風の血清療法を確立、志賀潔は赤痢菌を発見、野口英世は黄熱病の研究といった具合です。

2021年が東日本大震災(2011年3月11日)の発生から10年だったことから取り上げる中学もありました。桜蔭中(東京)は道路や防潮堤などの再建を進めるために設置された「復興庁」を問いました。地図記号も出題。名前をふせたうえで「記念碑」と「自然災害伝承碑」の地図記号を示し、名称を明らかにするように求めたうえで「自然災害伝承碑」がつくられた理由を説明させました。「自然災害伝承碑が記念碑と区別してつくられたのは過去の津波や洪水、土砂災害といった自然災害の情報を後世に伝え、地域の防災意識を高めたり、減災の取り組みにいかしたりするため」などとなります。

【朝日小学生新聞2022年3月18日 掲載】