核をめぐる国際的な動きが重要

核をめぐる国際的な動きが重要

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による米朝首脳会談を「入り口」にした出題で考えられるのが「核(兵器)」です。

まずは、太平洋戦争(第2次世界大戦)の末期に原子爆弾(原爆)が投下された都市と日付を確認します。広島が1945年8月6日、長崎が8月9日です。広島にある原爆ドームはユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されています。戦争をはじめとする人類がおかした過ちを後世に伝え、悲劇がくり返されることがないように「いましめ」とする「負の遺産」ともいわれています。

世界文化遺産の一つ、太平洋に位置するマーシャル諸島の「ビキニ環礁」も負の遺産です。周辺でアメリカが核実験をくり返し、54年に行われた水素爆弾(水爆)実験では日本の第五福竜丸の乗組員らが被ばくしました。

オバマ大統領(当時)による広島訪問も重要。アメリカの現職大統領として初めてのもので、2016年に実現しました。オバマ大統領は09年にチェコ・プラハで「核兵器を使用した唯一の核保有国として道義的責任がある」と演説を行い、「核なき世界」をめざす姿勢が評価されてノーベル平和賞を受賞しました。

核兵器の使用や開発、実験、保有などを法的に禁じる初めての国際条約「核兵器禁止条約」をめぐる動きも確認します。17年に国連で採択され、その実現に向けて貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)がノーベル平和賞に選ばれました。

この条約の前文には「ヒバクシャの受け入れがたい苦難を心にとめる」という言葉があります。しかし、アメリカの「核の傘(核兵器をもつ国の戦力で友好国の安全が守られること)」のもとにある日本は不参加。戦争による唯一の被ばく国でありながら、交渉に加わらなかった日本政府の姿勢を批判する声も上がりました。

【朝日小学生新聞2018年10月12日 掲載】