辞書に親しむ 遊び感覚でたくさん引こう

わからない言葉を調べるときは、辞書が役立ちます。神奈川県の公立小学校の先生で、国語教育の研究を続ける土居正博さんに、辞書に親しむコツを聞きました。辞書を引く習慣が身につくと、知っている言葉が増え、読み書きの力がのびると言います。(前田奈津子)

創価大学大学院教職研究科教職専攻修了。現在、神奈川県の公立小学校に勤務。著書に『「繰り返し」で子どもを育てる国語科基礎力トレーニング』(東洋館出版社)など。

意味の予想に挑戦 用例をみて文章づくり

辞書の使い方を習うのは3年生が一般的ですが、授業以外でも辞書を使う機会をできるだけつくってほしいと、土居さんは考えます。低学年でも、引き方を覚えれば使うことができそうです。「調べてみたいという気持ちを大切にして、辞書に親しむきっかけにつなげたい」と言います。

国語辞典は、単語などを「あいうえお順」といった規則をもとに並べて、意味や用法を説明しています。紙の辞書の場合、ページをめくって目当ての言葉をさがすのが難しく感じるかもしれません。使い始めのころはできるだけ多く辞書を開き、慣れるようにします。自分一人で「辞書が引けた!」という積み重ねが大事です。

辞書を使った遊びを取り入れるのもおすすめです。例えば「辞書の早引きゲーム」。一人が調べてほしい言葉を伝えます。その言葉をどのくらいの早さで見つけられるかを競います。

辞書を引くことに慣れてきたら、引く前に言葉の意味を予想してみましょう。漢字から想像してみるのも手です。「例示」という言葉なら「例を示す」と言いかえるなど、思いついた意味をノートに書き、その後で辞書を引きます。「説明をわかりやすくするために例で示す」などと説明してあるので、それをノートに書きます。予想と結果をノートに書くことで、「次も挑戦してみよう」という気持ちにつながるそうです。

教科書の説明文などでわからない言葉が出てきたときは、前後の文章から意味を予想してみましょう。どんな意味なら、この文章が成り立つかを考えることがポイントです。

言葉の意味を調べるときは、用例にも目を通します。例えば「上下」という言葉なら、上と下の意味と、「上下にゆれる」などの用例が書かれています。

用例を参考に、自分で文章をつくることに挑戦してみるのもよいですね。そのほか、意味が似ている類義語も調べてみましょう。これらを続けると、「自然と知っている言葉が増えていく」と言います。

土居さんは、国語教育の研究を続けています。言葉に親しみ、「読む」「書く」などの力をつけることは、ほかの教科でも役立ちます。おすすめは「音読」です。文章を声に出して読むことで、意味や読み方がわからない漢字などに気づくことができます。文章を正確に、すらすら読めるようになることを目指しましょう。教科書でなく、好きな本を声に出して読むのもよいと言います。

【朝日小学生新聞2020年5月1日 掲載】